お疲れ様さまです。
今日は、前回
6/5投稿の「チェーンブロック」の第2弾です。
どんなことかというと、
前回少し話したトランス(変圧器:transformer)を運搬する際、
階段でしかアプローチ出来ない場合にどうするかです。
そんな時は、階段上に
アンカー(Anchor bolt)を打設します。
吊元を作ってチェーンブロックを設置して
下すという使いみちです。
Contents
階段下ろし 段取り 手順 チェーンブロック(chainblock)の設置
まずは階段の天井部分にアンカーを打ちます。
この時の打つ位置は、
階段の長さによりますが、
だいたい
3箇所
くらいに吊元を設置します 。
(長い階段の場合は多く打ちます)
階段は折り返しているのが普通です。
今回はわかりやすくするため、
一直線の階段を下ろす場合について解説します。
3箇所の内それぞれの用途は
①まず最初に物を垂直に吊るスタート地点
②引っ張って横移動するための地点
③最終的に下ろしたい地点
にアンカーを打って吊り元を作ります。
このときにうちが使っているのは、
M-16サイズの本体打込み式の雌ネジタイプ
のアンカーを使用しています。
それを
2箇所打設
します。
そして、
シャックルを付けられる、
鋼材を取り付けます。
以前、打ち込みアンカーの
引抜き試験を行ったことがあります。
そのときは、短期引き抜きで
1本1t以上
という試験結果でした。
そして、その鋼材に
シャックル、チェーンブロック
(場合によってはワイヤー)
をセットします。
吊り下ろし手順
まず、
最初に物を垂直に吊るスタート地点
の下まで機器を持ってきます。
玉掛けは、
ワイヤーとシャックル、そして
Oリング
を使用して玉掛けます。
この玉掛けについては後で話します。
そして、真っ直ぐ吊り上げます。
吊り上がったら、
階段途中のチェーンブロックのフック
を引っ掛けます。
そして、
後から引っ掛けたチェーンを巻き上げ
ながら
最初に吊上げたチェーンを巻き下げ
ます。
すると、
2番目に引っ掛けたチェーンが
下の方ですから
斜めに機器が下りていくんです。
チェーンブロック2台で
物を吊上げているイメージです。
そして、
巻き下げ巻き上げ操作を調節していくと、
機器が宙に浮いて斜めに移動し
階段上から下りていきます。
最後に移動先まで下ろしていき、
床面若しくは台車の上に
下ろして階段下ろし終了になります。
こんな感じです。
このやり方は、主に
油入トランス
のときにやります。
階段での足場組が狭くてできないとか、
スロープを作っている暇がない作れない
ときにやっています。
最大の理由は
油入トランスは傾けられない
からです。
玉掛け(Slinging)
そこで玉掛けなんですが、
ワイヤー、シャックル、Oリング
をこんな風にしています。
Oリングを入れる意味
Oリングを入れる意味について
解説したいと思います。
このやり方ですと
最初に掛けたチェーンブロックから
2番目に掛けたチェーンブロックを巻上げていくと
フックの位置がそれぞれ変わっていきます。
その代わりぎわの場所
(荷重が最終的に移行する場所)
で恐ろしいことが起こります。
シャックルのみの場合、
シャックルの曲がりの大きさが小さいことから、
荷重移行によって
(シャックルに掛かっているフックが横にひ
っぱている状態から上に吊る状態へ移動する瞬間)
ガンッ
って感じで
急激なフックの移動運動
が起こります。
物が落ちる感じになるんです。
そのとき、
瞬間的に天井に打ったアンカーにかかる荷重
は
機器の重さプラスアルファの荷重が掛かっている
のです。
このことから、万が一
施工不良
コンクリート強度不足
がもしあった場合、
機器が落下する原因となります。
それを
軽減するために、
より自然にフックの移動ができる様
になるべく大きなリングで丸いものに
フックをかけるのです。
アンカーにかかる
荷重を最小限にできればと
やっています。
このやり方は、
下請けさんの切れるある人がやったもので、
最初提案を受けたときに感心しました。
アンカーが抜けることは無いと思いますが、
吊っているときにいきなり
「ガンッ」
ていう感じは気持ちのいいものではありません。
Oリングを入れることで
このガンッていうのが軽減されます。
おすすめです。
今日はここまでです。
ではまた。